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「改訂版」って何?~教科書、問題集、チャート式の「新課程」と「改訂版」の違い(2019年)

現在、高校2年生が使っている教科書や店頭で販売している参考書などの多くに「改訂版」という表記がなされているのをご存知でしょうか。
おそらく「改訂版」とは何かと思って、このページにたどり着いた方もおおいのではないかと思います。

「改訂版」というのは文字通り当初発行されたものを改定したものなのですが、ここには学習指導要領と教科書改訂の時期が深く関係しています。

学習指導要領改定と教科書検定

文部科学省が制定する、児童・生徒が何をどう学ぶのかという大きなガイドラインを策定するのですが、これが「学習指導要領」です。

これを大きく逸脱した指導をしてはいけない、またこの内容を最低限教えなさいといったことを定めています。

そして教科書は、各教科書会社がこの「学習指導要領」にそった形で作成をするのです。もっというとそった形で作成しなければならないのです。

当然、「学習指導要領」にそった内容になっているかを確認する作業が入るのですが、それが「教科書検定」と呼ばれるもので、この検定をクリアしたものが「検定教科書」となります。

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「学習指導要領」改訂と教科書改訂

この「学習指導要領」はこれまでおおむね10年に一度改訂をされてきました。「学習指導要領」が変わると教科書に記載する内容も変化をします。したがって、指導要領改定のときに当然教科書も変更されるのですが、このときは新しい学習指導要領のもので作っていますということが重要なので「新課程」という表記を使っていました。

一方で教科書の検定は基本的に4年に一度行われます。新課程導入のときには新課程用の教科書検定が行われるのですが、それと関係なく4年に一度なので、その際に各教科書会社は状況に応じて「改訂」をすることになります。

したがって同じ学習指導要領のもと、誤記等を直したり内容を充実させたりするための改定が行われた場合に「改訂版」がでると考えてもらってよいのでしょう。

「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」へ

さて、「大学入試センター試験」がなくなって、「大学入学共通テスト」になる、という話を耳にはさんだことがある人がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

今の改訂版(2020年度入試)のポイントの一つがこの入試制度改革です。これまでセンター試験はすべてマークシート方式で行われてきました。しかしそれでは知識偏重でこれからの時代に通用しないという観点から、「思考力・判断力・表現力」をもっとつける必要があるとの認識から、記述式が取り入れられようとしています。

詳細は大学入試センターのホームページにありますので、確認してもらえたらと思いますが、各教科書はその変更を見据えて、「思考力・判断力・表現力」を意識して対応する編集をしています。

それが今の「改定版」ということになります。これにともない、問題集やチャート式に代表される参考書などにも「改訂版」という表記がなされています。

そして数年後にはまた「改訂版」の表記がなくなるか、「新課程」の表記がなされたものが出回るのだと思います。そのときにもまたこのページを参考にしてくださると幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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