
目次
1.はじめに
2.青チャート(基礎からの)とは
3.3つのポイント
4.使い方
5.まとめ
1.はじめに
高校数学を勉強するのに何を使うかというとき、教科書・問題集・参考書等の選択肢があると思いますが、おそらくもっとも多いのが問題集ではないでしょか。ただ、問題集では解答をみても基本的な公式の意味は分かっているだろうという前提で書かれているので、つまずいたらそれで終わってしまいます。そう考えると、自分のペースで(とはいえ、受験も最後は自分で勉強できないと先にはすすめないのですが)勉強し続けるのであれば、教科書では基本的すぎるので参考書を利用するというのがいいのではないでしょうか。
ただし、どうしても自分の力では勉強し続けられないという人は、素直にあきらめて、塾や家庭教師などの外部の力をかりて強制的に理解させてもらうほうが時間的には早いでしょう。お金はかかりますが。
それはさておき、一人で勉強し続けるための大学受験数学参考書として、おそらく王道を走っているのがここで紹介する青チャートだと思います。
ここでは、その青チャートをを紹介します!
2.青チャート(基礎からの)とは
そもそも、チャートって何って思ったことはありませんか?実は各チャートの1ページ目には、次のような記述があるんです。
C.O.D.(The Concise Oxford Dictionary)には、CHART-Navigator’s sea map,with coast outlines,rocks,shoals,etc. と説明してある。海図-浪風荒き問題の海に船出する若き船人に捧げられた海図-問題海の全面をことごとく一眸の中に収め、もっとも安らかな航路を示し、あわせて乗揚げやすい暗礁や浅瀬を一目瞭然たらしめるCHART! -昭和初年チャート式代数学巻頭言
本書ではこのCHARTの意義に則り、下に示したチャート式編集方針で
問題の急所がどこにあるか、その解法をいかにして思いつくか
をわかりやすく示すことを主眼としています
チャート式 1ページ目
とあります。海図になぞらえて、難所だらけの答えにたどり着く道筋を明らかにしようというわけですね。
青チャートとよく言っているのですが、正式名称は「チャート式 基礎からの数数学Ⅰ+A(Ⅱ+B,Ⅲ)」です。なぜ青かというと表紙が青いからなんですね。このチャート式高校数学については、白チャート,黄チャート,青チャート,赤チャートと4段階でシリーズが展開されています。それぞれの名称は
・基礎と演習(白チャート)
・解法と演習(黄チャート)
・基礎からの(青チャート)
ときて、赤チャートは特に副題もなくチャート式 数学 Ⅰ+A(Ⅱ+B,Ⅲ) と書かれているだけなのです。
難易度は、白がもっとも易しくて、順に黄,青,赤と上がっていくとなっています(数研出版ホームページ)
基礎を中心にしたい人も、難関大や医学部を目指そうという人たちも幅広く使えるという意味で、青チャートがもっとも採用しやすいということなのかもしれませんね。個人的にはセンター試験レベルだけでよいのなら黄チャート、難関国立大、医学部を狙うなら赤チャートという選択肢も、 余計なところまでやらなくて済むという意味でよいのかなとも思っています。
数学Ⅰ+A
数学Ⅰ
第1章 数と式
第2章 集合と命題
第3章 2次関数
第4章 図形と計量
第5章 データの分析数学A
改訂版 チャート式 基礎からの 数学Ⅰ+A
第1章 場合の数
第2章 確率
第3章 図形の性質
第4章 整数の性質
数学Ⅱ+B
数学Ⅱ
第1章 式と証明
第2章 複素数と方程式
第3章 図形と方程式
第4章 三角関数
第5章 指数関数と対数関数
第6章 微分法
第7章 積分法数学B
改訂版 チャート式 基礎からの 数学Ⅱ+B
第1章 平面上のベクトル
第2章 空間上のベクトル
第3章 数列
第4章 確率分布と統計的な推測
数学Ⅲ
第1章 複素数平面
改訂版 チャート式 基礎からの 数学Ⅲ
第2章 式と曲線
第3章 関数
第4章 極限
第5章 微分法
第6章 微分法の応用
第7章 積分法
第8章 積分法の応用
また問題数は、以下の通りです。
| 例題・問題 | 数学Ⅰ+A | 数学Ⅱ+B | 数学Ⅲ |
| 基本例題 | 253問 | 314問 | 191問 |
| 重要例題 | 62問 | 80問 | 62問 |
| 演習例題 | 14問 | 15問 | 18問 |
| 練習 | 329問 | 409問 | 271問 |
| EXECISES | 234問 | 263問 | 240問 |
| 総合演習 | 59問 | 66問 | 59問 |
| 合計 | 951問 | 1,147問 | 841問 |
3.大きな3つのポイント
1.問題数の充実
上の表の通り、基本例題とそれに対応した練習問題が相当数載っています。例題を解いて練習問題を解けば、それだけでもかなりの内容を身に着けることができるという算段です。普通の問題集と異なるのは、一つのテーマの問題に対して1題作られているので、同じ系統の問題を繰り返し演習するという形にはなっていないところですね。計算練習をしたければ、問題のみがたくさん載っている問題集を探したほうがよいでしょう。
逆に言うと、これだけの問題ですから、後述の使い方でも触れますが、基本例題と練習をていねいに演習しているだけでも、センター試験を通り越して、理系の二次試験レベルの問題もこなしていくことになると思います。
2.たくさんのコラム
まとめ、参考事項、補足事項、ズームUP、CHART NAVIという5種類のコラムが用意されています。
- まとめ-学んできた事柄のまとめ
- 参考事項・補足事項-学んだ事項の発展や掘り下げ
- ズームUP-考える力を特に必要とする例題の詳解
- CHART NAVI-解答の書き方などの解答するためのポイント
内容がしっかりしていて読みごたえはあるものの、文字が少し小さいために読みづらく感じてしまいました。数学が面白いという方はぜひ読破してみてください。
3.他のチャートとの比較
冒頭に話をしたように、チャートには4段階あって、順に白、黄、青、赤となっているとお伝えしました。問題数は青チャートが一番多く、基本から超難問まで一番充実しています。そして重い。。。
問題数が多いということは使いきれない部分も多々あるということです。どういう風に使うかを考えなければいけないのも青チャートかもしれません。
4.使い方
それでもやっぱり例題を
例題には基本例題、重要例題、演習例題の三段階のレベル設定がされていますが、授業や定期テストこそこに点数を取るだけなら、 基本例題とその練習問題だけで十分でしょう。問題数からしても、大半のことはカバーされているはずです。入試に対応するのであれば、やはりここでも基本と重要例題だけでも3周ぐらい演習ができると基礎力をつけることにつながるでしょう!
何事も基礎と基本が大事ですから。たとえ東大であったとしても、基礎力という土台があればわりと対応できます。
章末のEXERCIZESと巻末の総合演習
EXCIZESは単元が終わったごとに演習することを想定していると思うのですが、本格的な入試問題に入ったときに並行して解く練習をする問題として取り組んだほうがよいかもしれません。それなりに手ごたえのある問題がそろっています。そして巻末の総合演習は、まさに難関大の入試問題演習です。これは入試直前の冬休みに最後残しておく問題としてもよいかもしれません。ただ、自分の能力で解ききったり、解答をみて理解するというこは結構むずかしいです。
超難関大を目指す方はそれでも一通り制覇しておきましょう。
5.まとめ
数研出版の高校数学王道の参考書「チャート式」のなかでも、幅広い層に使えるという点で採用が多い「青チャート」の紹介をいたしました。青チャートの青が表紙の色を意味しているというのは、単純ですがわかりやすくていいですね。昔は色が一部分だけだったので、色の違いがわからなかったというときもあったようですが。
内容的には数学に自信はないけれども、難関大学を数学で受験したいという方には、青チャートをやはりお奨めしたいところですね。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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