箱根駅伝2020予選会
正月の風物詩である箱根駅伝ですが、そこにたどり着くためには前回大会のシード校以外は、過酷な予選会を通過しなければなりません。
1月2日、3日の箱根駅伝、この予選会をよく知っておくとより楽しんでみることができると思います。そんな予選会の情報をご紹介いたします。
予選通過決定方法
駅伝の予選会なのに、駅伝で決定しない予選会です。ではその決定方法はというと、
各校上位 10 名の合計タイムにより 10 校を選び、あわせて関東学生連合チームを編成する。
出展:関東学生陸上競技連盟HP
というものです。高校や実業団の駅伝予選はほとんどが駅伝で決定されます。この方法で同じく出場チームを決定している大会に、毎年11月に熱田神宮ー伊勢神宮で行われる全日本大学駅伝があります。
駅伝はほとんどが一人で走りますが、普通のレースは多くの人が一緒に走ります。そのため、予選会には強いけれども、駅伝で結果を残せない大学というのもあったりします。
日程
2019年(令和元年)10月26日(土) 9:35 スタート
例年は10月第3週の土曜日ですが、今年の開催は第4週の土曜日です。1週間後の11月3日(日)には全日本大学駅伝があり、そこに出場するチームも多数ありますが、
場所とコース
陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園
この場所になってもう20年近くになると思いますが、立川市にある昭和記念公園とその隣の立川駐屯地、そして市街地をめぐるコースです。
最初のスタート地点がなんと飛行場の滑走路のど真ん中!各学校が縦一列に12人ずつで横に参加校が並ぶ様子はちょっと圧巻です。
コース図はこちら(関東学生陸上連盟HP PDF版)
コースの特徴
スタート~7㎞すぎ(駐屯地内滑走路)
一周2.5㎞弱の滑走路周回コースを3周回して市街地へ向かいます。
500人近い選手が一斉にスタートし、しかも同じような実力の選手が走るとなるとスタートでの接触・転倒がどうしても起こりやすくなります。でもこのコースはスタートから1㎞以上直線が続くので、各大学の選手が最初まっすぐ走れば、回避できます。
怖いのは90度に曲がるコーナーです。とくに最初の1周は一般の大会と違い、力差がでないので人数の多い中でコーナー接触・転倒が起こりやすい。序盤でこれに巻き込まれると、長丁場のレースなので、非常に痛手となります。
7㎞~14㎞すぎ(立川市街地)
駐屯地から外に出て、立川駅の北側のメイン通りを通り、モノレールにそって北上して泉体育館から昭和記念公園に向かう、立川の市街地を走るコースです。この沿道には予選会の応援のぼりが立つこともあり、市民の人たちの応援があるところです。
一般道ですが、広い道路で応援もあるので、気分はプチ箱根駅伝といったところでしょうか。おそらく選手にはそんなことを感じている余裕はほとんどないと思いますが。
立川駅を過ぎて北上し始めたところが10㎞、各大学の位置取りがわかり始めるところです。
14㎞すぎ~フィニッシュ(昭和記念公園)
一般道に別れを告げ公園内に入り、周回道路を1周して残り1㎞を公園中心に向かって走ったところがフィニッシュです。
公園周辺の道路はほとんどアップダウンはなく、もちろんスタートの滑走路は平坦なコースなのに、公園内に入ったとたんにアップダウンが激しくなります。
前半で力を使ってしまった選手はこの最後の6.195㎞で大きくタイムを落としかねない所です。ここでのロスを最小限に食い止めつつ、上位の選手が貯金を作れるかが予選通過できるかできないかの分かれ目です。
そのための戦略がいくつかあるのですが、それについてはこちらをご覧ください。
箱根駅伝2020予選会~「集団走」って何?大学の戦略も紹介!
観戦ポイント
現地で観戦したい方へのおすすめポイントを紹介いたします。
まず注意が必要なのは、昭和記念公園の通常の入場開始時間がなんと9:30なんです。そうスタート直前まで公園には入れません。
選手はどうしているかというと、特別に先に入れる入場券をもらって入場し、ウォーミングアップをしています。
またスタート地点である滑走路へは関係者以外立ち入りができません。
したがってお勧めの観戦ポイントの一つ目は
「立川駅北口周辺」
です。
そこで選手たちの通過を見届けたあと、ゆっくりと歩いて昭和記念公園に入場しましょう。
次は入場して坂道を下って行ったところで公園周回道路の上を通る橋にぶつかります。
二つ目のこの
「周回道路」
です。
かなり疲れている中、残り3㎞弱を本線出場を目指して必死に頑張る選手たちの息吹を、間近で感じることができます。
そして最後は公園のフィニッシュ地点近くで行われる
「結果発表」
年々レベルアップし、本選出場を目指す大学も増える箱根駅伝予選会。1月の本線以上に多くの涙が流れる場所でもあります。結果の良しあしもさることながら、大学生たちの熱い思いをそばで感じると、見る方も熱いものがこみあげてくるでしょう。
当落予想(2019年9月)
昨年は記念大会で1チーム増の11チームが予選通過であったとはいえ、珍しく前回本大会に出場した10チームがそのまま予選を通過しました。今年は果たしてどんな結果になりそうでしょうか。以下は私の勝手な予想ですので、ご了承ください。
昨年10位~22位の大学
中大・早大・日体大・日大・東京国際大・神大・明大・国士舘大・大東大・城西大・
山学大・上武大
2019年予選会(2018年10月)上位校
麗澤大・亜細亜大・専修大・創価大・東農大・筑波大
注目されるであろう大学
桜美林大・駿河台大(留学生が強い)
立教大(上野監督就任)
当確
全日本大学駅伝の予選通過校は、トラックの力も層の厚さもあり、予選は通過できるでしょう。
東京国際大・明大・早大・日体大
全日本大学駅伝の予選会ではあと一歩だったが、全体的にそろっている大学で、留学生頼みでない大学
中大・神大・大東大・城西大
当落線上
日大(留学生以外がどこまで頑張れるか。新しい寮の効果が発揮されれば大丈夫)
山学大(留学生が貯金を作れないと危険)
国士舘(留学生以外の力不足が否めない)
上武大(連続出場を続けているが、前年はプラス1に救われた)
創価大(留学生とともに日本人エースが成長中)
予想は・・・
東京国際大・明大・早大・日体大・中大・神大・大東大・城西大
と
日大・創価大
あくまで、個人的私見ですので、ご批判はご了承ください。
個人的には山梨学院大には出場していてほしいのですが、今年はかなり危ないと思っています。
結果
気温25℃近い酷暑のレースとなり、大きくタイムを落とす選手が続出した大会となりました。
そんななか、しっかりとエースの貯金+集団の押し上げで走り切った大学が残った感じでした。
予想の城西と大東大が大きく脱落し、筑波と国士舘が入ってきました。国士舘は前半10㎞をがっつりと集団で走っていたのが印象的でした。
麗澤大は10人目ゴールが全体の6番目だったにもかかわらず11位の次点でした。突き抜けるエースの存在も必要ということなのでしょうか。
まとめ
今年の予選会は思っている以上にさらに難しいレースでした。上位でゴールしたにも関わらず、選手には笑顔がなく、ひたすらに後続の様子を見守っている姿が印象的です。
来年はどんなドラマがまっているのでしょうか。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。